ドイツの勤務形態にもフルタイム(Vollzeit)とパートタイム(Teilzeit)があります。
ドイツでTeilzeitは、お子さんがいる人や兼業している人にはとても人気があります。
でも、ドイツのTeilzeitは日本のパートタイムとは待遇面で異なる部分も多々あります。
今回はドイツのパートタイム(Teilzeit)について書いてみます。
Contents
一日の勤務時間は会社によって全然違う
ドイツの労働規定(TzBfG)によると、労働者は正規の週労働時間が正社員の労働時間よりも短い場合にはTeilzeit(パートタイム)で雇用されます。
参照記事:「Teilzeit: Wie viele Stunden sind erlaubt? – Arbeitsrecht 2019」
ですが、会社によっては週38時間がフルタイムのところもあるそうで、会社で週38時間と決まっていれば、フルタイム(Vollzeit)扱いとなります。
基本的にはドイツのフルタイム(Vollzeit)も日本と同じように週40時間ですが、会社によって変わる場合もあるということですね。
パートタイム(Teilzeit)扱いは何時間から?
パートタイム(Teilzeit)はいったい何時間からパートタイム(Teilzeit)扱いとなるのでしょう。
ドイツでのパートタイム(Teilzeit)は非常に幅が広く、労働時間は雇用者と被雇用者の間で取り決められます。
正式な労働時間について書面で合意することが可能です。
(外国人局は労働機関や賃金が変わった時には必ず知らせるようにと言っているので、書面でもらった方がよいかも。)
例えば、パートタイム(Teilzeit)の場合は、週25時間勤務で毎日8時から13時までや、週30時間勤務で毎日8時から15時まで仕事をする人もいます。
お医者様に聞いた話ですが、毎週金曜日を休みにして週4日フルタイムで働く人もいるのだとか。
週4日勤務は定年前の人で、徐々に勤務時間を減らしていきたい人に人気らしいです。
パートタイム(Teilzeit)のメリットは?
パートタイム(Teilzeit)でも、年間の有給日数は変わりません。
例えば、週40時間のフルタイムで有給が年間30日もらえる会社があるとします。
あなたがパートタイム(Teilzeit)で週25時間働くとしても、有給は30日しっかりもらえます。
これってすごくないですか?
私も不思議に思って同僚に聞いたみたところ、有給の日数は、勤務時間ではなく勤務日数で決まるんだそうです。
つまり、パートタイム(Teilzeit)でも週5日働いているのであれば、有給はしっかりつくんですね。
(裏を返せば、週4日しか働いてない人は、毎日8時間働いたとしても、勤務日数が足りないので、有給の日数は減らされます。)
また、保健面でもパートタイム(Teilzeit)はフルタイムと比べてデメリットがほとんどありません。
フルタイムと同様、雇用保険と健康保険、そして年金も会社と折半になります。
パートタイム(Teilzeit)だからといって社会保険は自己負担ということはないんですね。
パートタイム(Teilzeit)は、育児休暇が終わって、仕事に復帰したい従業員にも適しています。
ドイツでは育児休暇は最大で3年取れますが、最大限取得してもお子さんと一緒の時間はできる限り増やしたいですよね。
仕事には戻りたいけど、家族や子供のために多くの時間を持ちたいと考える人は育児休暇後に、パートタイム(Teilzeit)に契約を変更して戻ってくる人も多いです。
パートタイム(Teilzeit)で働きたい場合はどうしたらいいの?
ドイツの求人広告をみると、勤務形態の項目にフルタイム(Vollzeit)もしくはパートタイム(Teilzeit)と記載があると思います。
パートタイム(Teilzeit)と記載がある求人広告には、その条件で応募することができます。
ですが、パートタイム(Teilzeit)可としている会社でも、できればフルタイム(Vollzeit)で働ける人を採用したいというのも正直なところです。
特に日本人が応募できる求人がそもそもドイツには少ないので、お子さんがいても無理やりフルタイム(Vollzeit)で頑張っている人も...外国人労働者のつらいところですね。
でも、「もっと子供との時間をとりたい!」、「体力的にフルタイムつらい!」というあなた!
一般的に、試用期間(Probezeit)を終了して、6ヶ月以上会社に勤めている従業員は、Teilzeitで働く権利があります。
つまり、フルタイム(Vollzeit)で契約をしておいて、試用期間(Probezeit)をすぎたらパートタイム(Teilzeit)に変えるという手もありということです。
ですが、この方法は上司との関係が悪化する可能性があるので、気を付けてくださいね。
フルタイム(Vollzeit)で働けるといって採用されたのに、試用期間(Probezeit)が終わったらすぐにパートタイム(Teilzeit)に契約変更を求めれば、印象が悪いのでタイミングは見計らってください。
パートタイム(Teilzeit)への契約変更は従業員の権利なので基本的に会社は断れないと思いますが、この方法で試用期間(Probezeit)が終わったらすぐにパートタイム(Teilzeit)に変更した同僚が上司にいろいろ言われて嫌な思いをしていたので、ちょっと心配です。
鉄のハートを持つ人はやってみてください。
パートタイム(Teilzeit)の手取り収入を計算してみよう
フルタイム(Vollzeit)で働いていたけど、パートタイム(Teilzeit)になったら、手取り収入や税金はどうなるかシュミレーションしてみたい方は下のサイトで計算できます。
Teilzeitrechner➡
フルタイム(Vollzeit)のお給料額とパートタイム(Teilzeit)になった場合の勤務時間(例:週20時間)を入れると、フルタイム(Vollzeit)とパートタイム(Teilzeit)の時で、手取り収入や税金にどれくらい差が出るのか計算してくれます。
例えば図のように週40時間フルタイムで働いていた人が週20時間のパートタイム(Teilzeit)に変更すると…
フルタイム(Vollzeit)
Brutto; 2000€ Netto:1424,76€
パートタイム(Teilzeit)
Brutto; 1000€ Netto:801,75€
税引後の手取り収入は税金が少なくなる分分パートタイム(Teilzeit)の方がお得に感じますね(笑)
本日はここまで。
ありがとうございました。