ドイツで働くイメージとはどのような感じなんでしょうか?
- ヨーロッパって長期休暇取れるからいいよね。
- ドイツ人の同僚と仲良くなってドイツ語もペラペラになれそう。
- お給料は日本より少ないって聞くけど、そのぶんプライベートが充実できそうでうらやましい!
ドイツの企業に採用されてドイツで働き始めて6年、周りの人からドイツで働くことのメリットばかり聞くようになりました。
私も日本にいた時は、海外で働く方が日本よりもっと自由に仕事ができると思っていました。
ですが、実際に働いてみるとドイツで働くことにも大変な苦労やストレスがともなうことがわかりました。
今日はわたしが実際の職場や他の友達にも聞いた職場での不満や問題点についてご紹介します。
その上で、どうしたらドイツでの職場トラブルや給料問題を防ぐことができるのか考えてみたいと思います。
Contents
ドイツで働く。時には孤独とパワハラに耐えなければなりません
ポーランド出身の友人は、エンジニアとしてドイツの中小企業で働いていました。
ドイツの大学を出てエンジニアとして採用された会社は、町から車で1時間ほど郊外に行ったところにあり、雪の日などは毎日かなり怖い思いもしていたようです。
小さな会社で、外国人は彼一人。
仕事自体は最初のうちは問題なくこなしていましたが、そのうち上司が残業を 押し付けるようになってきました。
彼は通勤に往復2時間かけています。
少しくらいの残業ならと平日の残業は我慢していましたが、そのうち土日まで出社するように強制されたそうです。
彼が一番の若手だったからなのか、ただ単に外国人だからなのかは分かりませんが、さすがに彼も土日の出社は断ったそうです。
ここで相手側の要求を受け入れてしまったら、ずっと休日出勤をさせられることになると危惧したからです。
勤務地も町からかなり離れていましたし、彼は会社を辞めることを決断しました。
ドイツにもあった‼給料未払い問題
ドイツ人の友人は、学生でありながらプログラマーとして個人経営の事務所に雇われて働いていました。
彼は、私から見ても非常に頭がよくプログラマーとしても優秀な人材であったと思います。
事務所のボスからも目をかけられていて、関係も悪くなかったのですが 、次第に給料の支払いが遅れるようになってしまったそうです。
個人経営の事務所というのは、非常に資金のやりくりが大変なようです。
彼もそれがわかっていたので、最初の方は支払いが少し遅くなっても我慢していました。
しかし、ある時、彼は大変ショックな事実を知ることになります。
実は、彼よりも後に入ってきた新人にはお給料が支払われていたそうなのです。
どんな理由があっても、お給料が支払われないというのはとんでもない話です。
ボスとの関係が良好だと思っていただけに、彼は相当ショックを受けていました。
悩んだ結果、彼は会社を辞め、弁護士を雇って未払いの給料についての交渉を始めました。当時の彼は26歳くらいだったと思います。
いくら成人しているからといって、彼の若さでこういった問題に立ち向かうのはつらいことです。相談を受けたとき、普段は明るい彼がかなり疲弊していると感じました。
ドイツ企業にもパワハラ、男女差別、給料問題は存在する
このように、ドイツの企業で働き始め、友人たちとも仕事の悩みを打ち明ける中で、ドイツの企業でもパワハラや賃金の未払い問題はあることがわかりました。
特にパワハラに関しては、個人の裁量がヨーロッパの企業は大きいので、場合によっては日本より理不尽な要求が多い可能性もあります。
特に外国人労働者は仕事を失うのを恐れて、不満を抱いていても上司に言えずに我慢している人もたくさんいると思います。
ドイツの会社で自分を守るにはどうしたらいい??
ドイツ人であれば、嫌がらせされたり給料が支払われない会社はすぐに辞めて、新しい仕事を探すでしょう。
ですが、外国人である私たちはそんなに簡単に会社を辞めることはできないですよね。
ドイツの会社で外国人が働く場合、最初の数年は制限付きの労働ビザが発行されます。
特に、雇用先が限定されている労働ビザは、会社を辞めてしまうと滞在ビザまで失効してしまうので、すぐに国外退去となってしまうこともあるそうです。
私はドイツの会社で働いていますが、ドイツの大学を卒業したわけでもなく、職場での地位はあってないようなものです。
ドイツの会社で自分を守るためにはできることはやっておきたいですよね。
雇用契約書は納得してからサインする
会社に入ってから後悔しないためにも、しっかり納得したうえで雇用契約書にサインをするようにしましょう。
書類選考や面接を数回繰り返したうえで、採用が決まると契約書が送られてきます。
基本的には今まで話し合いで合意した内容になっているはずですが、もし話とは違う内容になっていたりあいまいな部分があったらメールで問い合わせて確認しておきましょう。
口頭でのやり取りはなんの証拠にもならないので、しっかり記録に残せるようにしておいてください。
サインする前であれば雇用契約書の内容は変更することができます。
逆に言えば、契約書にサインしてしまったら、あとから変更することは大変です。
自分が満足できるように雇用契約書を入念にチェックして、納得がいくまで交渉しましょう。
雇用契約書で最低でもチェックしてほしい項目は、以下の通りです。
- 氏名、生年月日
- 雇用開始日
- 試用期間
- お給料の額(年俸?月額?)
- 交通費の有無
- 労働時間、契約期間
- 有給日数
雇用契約書の詳しいチェックの仕方はこちらの記事でも紹介していますが、最低でも上記の項目はぜひチェックしておきたいところです。
試用期間中は死ぬ気で頑張る
ドイツの会社は試用期間が6カ月ある会社が多いのですが、この時に能力が不足していると判断されれば、バッサリと切られます。
失業保険は過去2年間で12か月働いていないと受給資格がないので、外国人が初めての就職先で、6カ月未満に解雇された場合…大変なことになります。
参照:https://www.finanztip.de/bezugsdauer-arbeitslosengeld/
つまり、失業保険がもらえないばかりかドイツに滞在できなくなってしまう可能性があるからです。
人によっては、新たな職場を探す期間ドイツに滞在することを許される場合もありますが、それは外人局に問い合わせてみないとちょっとわからないですよね。
試用期間は会社に認められるようにとにかくがんばりましょう。
最終手段は弁護士に相談する
ドイツには弁護士保険なんてものまであり、職場でトラブルが起こった際に弁護士を介して問題を解消することがあります。
特に賃金の未払いや不当解雇された場合、労働者は弁護士を雇って争います。
辞めるにしても不当な扱いを受ければ、争うといのは海外では当たり前のことで、泣き寝入りしてはいけません。
若い人でも弁護士保険に入っている人はいますので、何かあれば弁護士に相談するようにしましょう。
勤務経験を生かして次のステップへ。ドイツでの転職もあり
ドイツで働くのはやりがいがありますし、海外で生活するのはとても楽しいです。
ですがもし不当な扱いを受けてしまったら、今の場にとどまるだけではなく、次のステップも視野にいれて、準備を進めていく必要があります。
転職もドイツでは当たり前のことなので、給料アップや労働条件の向上のために転職します。
そんなに転職して履歴書大丈夫?と思ったことありますが、ドイツでは働いていない期間があることの方が、問題らしいので、ほとんどの人は在職中に新しい仕事を探します。
一年以内に何回も転職してるとかではない限り、どんどん転職してステップアップした方がメリット多そうです。
常に自分の働きやすい職場を求めて行動することが、海外で生き生きと暮らしていく秘訣だと思います。
わたしもドイツでの勤務経験を、別の場所でも生かせればいいなと思っています。
転職で新しい人生を手に入れた体験談
最後に、本日紹介した私の二人の友人が、退職後に何をしているかちょっとご紹介します。
ポーランド人の友人は、退職後、ずっと行ってみたかったアジア諸国を旅しました。
帰国後、エンジニア系のスクールに通い、資格の勉強をしています。
プログラマーだったドイツ人の友人は、「プログラマーは搾取されるからもうこりごりだ」と言って、別の町で ITコンサルタントとしての仕事を見つけました。
彼の給料は事務職の私の給料のなんと2倍以上!!
それだけ彼のスキルが高いということですが、うらましい限りです。
最近内定が決まったドイツ人の友達は、大学在住中にインターンシップやボランティア活動などに励み、2社から内定を受けています。
就業経験がなくても、学生のうちに行ってきた活動は就職活動にも非常に有利です。
彼の給料は事務職の私の給料のなんと3倍以上!!
もはやすごいとしか言いようがありません。
ドイツのお給料も本当にピンキリで、事務職は一般的にお給料低いですが、技術職は本当に高く評価されるので、お給料はその期待の表れなのです。
本日はここまで。
読んでいただきありがとうございます♥