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【就労1年目の確定申告】ドイツで自分で確定申告をして払いすぎた税金を取り戻す方法。必要書類や手続きの仕方をご紹介。

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日本人がドイツで働き始めた1年目の年は、所得税を多く支払っている可能性があります。

ドイツでは確定申告を4年さかのぼってできると聞いたので、ようやく重い腰を上げドイツで働き始めた1年目確定申告をしてみると、387,58ユーロ返金がありました。 

今回はドイツでの確定申告の書類の書き方を紹介します。

2020年4月現在、ドイツでの確定申告はすべてオンライン申告することになっています。よほどの理由がない限り税務署での紙申告は受け付けてもらえないので注意してください。

Contents

手続きに必要な書類など

最近ではネットにもチラホラとドイツで確定申告の情報が得られるので、それらを参考にして、自分で税務署にて手続きを行いました。

現在はドイツの確定申告はすべてオンラインで行うことになっていますが、書類名や書き方などは紙ベースで申告していた時と変わらないので、参考にしてもらえると思います。

最終的に用意した書類は以下の通り。

  • 申請フォーム3種(ダウンロード可)

 1 ESt 1V – Vereinfachte Einkommensteuererklärung für Arbeitnehmer
 2 Anlage N – für Einkünfte aus nichtselbständiger Arbeit
 3 Anlage AUS Ausländische Einkünfte(海外の収入を申告する申請書)

  • 収入を証明する書類のコピー
  • 日本での給与明細書独訳(訳は手書きでよい)
  • パスポートと在留カード(申請時に提示)

申請から返金までの流れ 

 1. 税務署へ申請(2017年5月)

まずは、ザクセン州の税務署の申請書類ダウンロードページにアクセスして、申請書をダウンロードします

ダウンロードページはこちら→、

https://www.formulare-bfinv.de/ffw/content.do

画面左側のFormulare A-Zから2014年度のEinkommensteuerのフォルダにアクセスし、申請書を入手しました。
一般的な申請書は、ESt 1AのEinkommensteuerフォームですが、 ESt 1VのVereinfachte Einkommensteuererklärung für Arbeitnehmerフォーム(被雇用者用の簡易所得税申告書)が私の場合適切ではないかと思い、こちらで申請して受理されました。

Anlagen(付録)として、 Anlage N – für Einkünfte aus nichtselbständiger Arbeitも一緒に提出しています。

 申請書類は税務署でも手に入ります。

どの書類を使えばよいのかわからない場合には、税務署に直接もらいに行って確認した方がいいと思います。

記入方法(ESt 1V)

赤枠で囲ったところだけ書いていきました。分からないところは税務署で直接聞きましたが、独身で収入も一か所からならとってもシンプルです。

Steuernummerはなかったので、空欄のままで行って、税務署で聞けば大丈夫でした。

Steuernummerなどの申請はとくにせず、そのまま番号付けてもらいました。

ちなみに、住民登録時にもらうIdentifikationsnummerとは違うので、注意してください。

ESt 1VのVereinfachte Einkommensteuererklärung für Arbeitnehmerフォーム(被雇用者用の簡易所得税申告書)の記入例1ページ目(左)と2ページ目(右)

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 記入方法(Anlage N)

Anlagen(付録)として、 Anlage N – für Einkünfte aus nichtselbständiger Arbeitも一緒に提出していますが、特に控除するものがなかったので、1ページ目に氏名と税金クラス、Steuernummerを記入しただけです。

わたしは2014年分の確定申告を2017年に行ったので、4月から12月までのドイツで働き始めた年の納税状況や給与額など、すべてデータ上で確認できるらしく、給与明細のコピーは必要ないと言われたので、提出しませんでした。

ただ、担当してくれたおじさんによると、2014年1月から3月までの収入証明が必要で、この期間は日本で働いていたため、日本から給与明細を取り寄せる必要があったので、今回は申請を断念。

日本から親に給与明細を送ってもらい、自分で簡単にドイツ語に訳して、再度税務署へ申請に行きました。

2回目に申請に行った時の担当のおばさんは、別記事の「外国語の発音に自信がなくても大丈夫。不安に思う気持ちは相手も同じ」でも書いたんですが、外国人と話したくないタイプで、何も聞かれず。

今回は1月から3月までの収入証明も求められませんでした。

できれば出したくなかったので(だって、1月から3月分までは、日本で所得税払ってきてたし)、黙っていると何事もなく受理されたので、ホッと胸をなで下ろしましたが、これがのちのちトラブルの原因になりました(涙)

2. 追加書類の送付(2017年7月)

確定申告の書類提出から、2カ月で税務署から通知が届きました。追加書類の送付を求められました。

通知によると、「確定申告は1月から12月までの収入証明が必要となるので、外国で働いていた得た給与の明細書も必要」とのこと。

1月から3月分の納税が日本で済んでいようがいまいが関係ないそうです。

ということで、

1月から3月の日本での給与明細書の金額部分をざっと訳したものを、

Anlage AUS Ausländische Einkünfte(海外の収入を申告する申請書)

と一緒に、

回答用紙に必要事項を記入の上、税務署に送付しました。

3. 催促メールを送る(2017年11月24日)

5月に申請を済ませ、7月に追加書類を送付したにもかかわらず、11月末になっても返事が返ってこなかったので、メールにて問い合わせたところ、「12月4日に発送予定です」と返事が返ってきたので、とりあえず待ちました。

4. 郵送で結果が届く(2017年12月6日)

郵送で返金額の通知が来ました。

書類の上の方に返金金額(図で赤枠で囲ったところ)が書いてありまして、就労1年目の所得税の返金額は、387,58ユーロ(339,00€+30,00€+18,58€)という結果になりました。

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5. 指定口座への返金(2017年12月7日)

通知を受け取った翌日には、確定申告の際に指定しておいた口座に入金がされていました。

ドイツにしては早すぎるこの対応、逆にあやしい。

おそらく、11月24日にメールで問い合わせた時に、処理が進んでなかったことに担当者が気づいて、あわててやったんじゃないかという気もしないでもないですよね。

メールで問い合わせていなかったら今年はもらえなかったかもしれません。

実際に戻ってきた金額は、予想返金額の約50パーセント

 5月に申請をして12月に返金してもらえるまで、7カ月ほどかかりましたが、とりあえずお金返ってきましたので良かったです。

ですが、実際に返金された金額は予想していた金額の半分くらいでした。

Lohnstruer konpaktというオンラインの確定申告サービスで、予想返金額を無料で計算することができるのですが、オンラインサービスの返金予想金額は、788,02ユーロ

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それに対して、実際に返金された金額は、387,58ユーロなので、約50パーセントも下回っていました。

700ユーロくらい返ってくると思っていたので、実際に通知を見たときには、「これしか返ってこないのか」と、がっかりしました。

もちろん400ユーロ近く返金があったので、ないよりはマシですけど。

年度末の給与明細に入っていた、Lohnsteuerbescheinigungを見ながら、項目を埋めていったのですが、なにか間違えてしまっていたのでしょうか、よくわかりませんでした。

オンラインの確定申告サービスは、どれくらいお金が返ってくるか見積もりを計算するだけなら無料ですので、興味がある方は試してみてください。

とりあえず、税理士さんやアドバイザーにお願いしなくても、自分で確定申告はできることが分かったのでひと安心です。

わたしの場合、申告するものは、保険料や医療費くらいなので、特に複雑な控除(株とか海外にある家とか)がなければ、自分でやった方がお得ですね-。

 

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