Contents
ドイツ人も転職活動する?
ドイツ人のイメージって、ひとつの会社でずっと勤めあげるものだと思っていました。
ところが、実際にドイツの会社で働いてみると、そうではないよ、というお話です。
うちの会社が入れ替わり激しいのかわかりませんが、ドイツ人はけっこう職場を変えます。
自分で辞める人もいれば、強制的に解雇ということもドイツではあり得るのです。
やめる事情は様々ですが、ドイツの転職事情について、ちょっと調査してみましょう。
より良い条件の転職先へ
誰でも仕事はできるだけ良い条件とお給料で働きたいと思いますよね?
ドイツ人もそのように考える人は多いです。
特に大学卒業したての若い人たちは、仕事先を見つけるだけでも一苦労です。
地元で仕事を見つけるなんてまず無理で、西ドイツ↔東ドイツ間を移動して転職することもよくあります。
まず最初の就職先を見つけることが、若い人たちの最重要事項です。
そのためちょっと条件に納得がいかなくても契約書にサインするようです。
最初の会社での実務経験を積めば、それをベースにより良い条件で転職先を探すことができます。
パートナーの転勤による引っ越し
特に女性に多い、転職理由ですね。
パートナーや旦那さんの転勤によって、自分も転勤先でお仕事を見つけて辞めていく人もいます。
こういう人は、最初から時短勤務(Teilzeit) で雇用契約を結んでいる人が多く、1日に6時間勤務で働いています。
時短といっても、もちろん正社員なので、社会保険や有給は他の社員とほぼ変わりなくとることができます。
これは、基本的にフルタイム・時短に限らず全員が正社員で雇用するドイツのシステムは好きです。安心して仕事ができますよね。
ということで、みな容赦なく転職すると(笑)
試用期間での解雇
ただ、ドイツの雇用システムの怖い面もあります。
ドイツの使用期間(Probezeit)は長く、一般的に6カ月とされています。
ですが、試用期間の間は、雇用主は特に理由がなくても被雇用者を解雇することができてしまいます。
ドイツ怖っ!!
もちろん能力が仕事に見合っていない場合は、解雇もやむを得ないと思います。
でもこれがですねぇ、私の知る限り、必ずしも能力の低さで解雇されるわけではないから、怖いのですよ。
ボスの機嫌を損ねた、ボスに反抗的だった、そんな理由でも解雇されてしまいます。
もちろん、ボスは解雇理由を告げる必要はありません。
そのため、試用期間は、新入社員にとっては非常に心が休まらない期間なのです。
ちなみにこの試用期間、最長で1年まで延長されることがあります。
最初の6カ月では、成果を出せなかったけど、もう半年見てみようか、とボスが判断した場合、いばらの道がさらに続くという恐ろしい、ドイツの試用期間システム……
職種が替わることはまれ
転職というと、日本の場合ですと、心機一転で以前の職場とは全く違う業界や職種にチャレンジ!ということも可能ですが、ドイツではなかなか難しいのが現実です。
IT業界ならIT業界の中で転職をするのが一般的で、業界の垣根を越えて転職をした人は、私の知る限りではいません。
ただ、職種がエンジニアで、ちょっと違う業界での仕事に挑戦した友人はいました。
ただ、彼は失業中に専門学校に入って、きちんと資格は取るなど、できることはしたうえで転職にの望んでいたので、まったくの未経験や資格なしでは難しいでしょう。
ドイツで転職先の見つけ方は?
ドイツ人でも仕事を探すのは困難な時代です。
日本人であるわたしたちが仕事を探すのは、なかなか難しいですよね。
ですが、ドイツで職務経験や日本での実務経験を生かして、転職先を探す方法はいくつかあります。
1. 求人サイトから探す
転職先の見つけ方としては、求人サイト MonsterやStepStoneに登録して、自分の希望職種に合った求人情報を得るのが一般的です。
求人サイトに自分の希望職種を登録しておくと、毎日メールで自分に合った求人情報を受け取ることができます。
わたしも登録していますが、1回だけ一般事務職で、「日本語出来る人求む」という求人を見たことがあるので、とりあえず仕事をお探しの方は登録してみるのもいいと思います。
2. 自分で営業をかける
ドイツには4月入社という概念はありません。
必要に応じて求人を出して、条件が合えば採用➡お仕事スタートです。
求人を募集していなくても。自分でアプローチをかけてみるのもアリなようです。
友達は、よくメールで自分の履歴書を就職したい会社へ送っています。
無視されることは少ないようで、たいていは、電話があり面接を打診されるそうです。
友達のエンジニアは、実際に面接のオファーを受け、ドルトムントまで面接に行ってました。
給料面で折り合いが会わず、話は流れてしまったようですが、自分からアプローチをかけて、面接までたどり着いた行動力は素直に尊敬できますよね。
3. コネを利用する
身も蓋もない話ですが、実際にドイツに長く住んでいる人はご存知でしょう。
ドイツはコネで就職する人がとても多いです。
悪い例でいうと、会社のお偉いさんの身内だからという理由で雇われてる人もいます。
たいして仕事できなくても逆らえないので、タチ悪いですよ……(実体験)
ポジティブなコネもあります。
知り合いのルーマニア人で、知人から「システムエンジニアを探している」、
「君のためにポストを作るから、来てくれないか」というオファーを受けて、大学卒業してすぐに職を得た人もいます。
いろんな場所に出かけ、自分のできることをアピールしておくと、後日ひょっこり仕事が舞い込んでくるということは結構あります。
ちなみにわたしの場合、レストランでばったり日本人会の人に会い、日本語教師にスカウトされたことがあります。
4. 新聞の求人広告欄で探す
意外とアナログな方法も人気です。
ただ、実際の新聞ではなく、オンラインで新聞社が載せている求人広告欄で求人を探す方法です。うちで採用された事務員にはなぜか「新聞の求人広告欄を見て」という人がとても多いです。
わたしがみているものだと、ZEIT online やSüddeutsche Zeitungなんかがあります。
ただ、新聞の求人広告欄は。ハイクラスの求人だったり、ドイツ語メインの求人が多いので、私の場合は、 MonsterやStepStoneなどの求人サイトの方が、英語の仕事はヒットしやすいと思いました。
30代の転職は今までのキャリアを生かした方が、ドイツでも転職しやすい
わたしは、ドイツへの転職が決まった時は、すでに30歳を過ぎていました。
日本での実務経験が豊富にあり、それを高く評価してもらっての転職でした。
やはりドイツに来て、一から仕事を探すというのはなかなか難しいかなと、個人的には思います。
ドイツで今までの職歴と関係ない仕事を得たい場合には、職業訓練などをする必要があると思いますが、わたしには経験がないのでちょっとわからないですね。
30代前後での転職は、少なからず仕事の経験があると思いますので、そこをアピールしての就職活動が一番効果が高いと思います。
みなさんぜひコネも利用してください(笑)
人とのつながりも大切にしていると、思わぬところから仕事のオファーが来ることは現実としてあります。
まさにチャンスはどんなところにも転がっているということですね!