私が、まだ日本で働いていた時のことです。
なんとなく海外で働いてみたいなぁと思いつつも、どうすればいいか方法もわからず、仕事の合間に語学や資格の勉強をしていました。
それがあるとき、インターネットでの求人広告をきっかけに、ドイツで働くことになったのです。
海外で働くと聞けばうらやましいと思われるかもしれません。
海外で働くチャンスを探している人もいるでしょう。
ですが、夢を目標に頑張っているうちは気づきませんが、いざその夢が現実となったら、本当に海外に移住したいですか?
海外に移住するということは、日本での職歴が中断してしまいますし、友人や家族もあとに残してこなければなりません。
海外に行っても、思ったようにことが進まず、つらい思いをするかもしれません。
夢が現実になった時、私はものすごく悩みました。
今日は海外就職を前に非常に悩んだこと、どのように心を決めたのかなどについて話してみたいと思います。
Contents
インターネットで見つけた求人に問い合わせを続ける日々
現在の仕事先は、なぜかインターネットの求人サイトで見つけました。
(私の仕事はちょっと特殊なものになるので、経験者専用の求人サイトになります。ご紹介してもそこから業界経験のない方が応募することはできませんので、ここでは省きます。ごめんなさい。)
ともかく、その求人サイトは、普通に日本の求人を扱っているところです。
そこになぜか一つだけ、勤務地がドイツとなっている求人情報を見つけました。
あきらかにおかしい求人広告に、何かの間違いではないかと思いましたが、とりあえず問い合わせしてみることにしました。
問い合わせ先は、確かにドイツの電話番号で、かけるとドイツ人の受付の女性らしき人が応対してくれましたが、担当者の人がランチに行っているということで、その日はお話を聞くことができませんでした。
このあとも、なかなか採用担当者につないでもらうことができず、求人の件を知っている人につないでもらうまでに実に3日かかり、その間何回も電話しました。
さすがに何度も、くじけそうになりましたよ、電話つないでもらうまで3日って…
海外の企業は、日本の常識は通じないのだと思い知らされましたね。
採用選考には実に6ヶ月かかった
ともかく時間はかかりましたが、なんとか求人の件を知っている人につないでもらい、履歴書を受け取ってもらうことができました。
ここまででもかなり時間がかかっていますが、そのあと書類審査と第一次面接、第二次面接を経て、内内定をもらうまでに 6ヶ月の期間がかかりました。
この期間もただ待っていただけではなく、そのときの仕事で役に立つ資格の勉強などもしていたので、採用されなくても日本で仕事をしていけるように安全策をとりながら過ごしていました。
そして、いつも通り、業務をこなしているときにメールにて内々定のご連絡を頂くことができました。
念願の内々定、でもまず思ったのは「やばい…どうしよう」
たしかに電話をかけてから6カ月の間、採用されるために色々と努力もしてきました。
そのための準備や努力は、もちろん自分でほめてあげるべきだし、自分のやり方で採用されたということで自信にもつながりました。
でも夢中になって頑張っていた時には気づきませんでしたが、実際にドイツに来て一緒に働いてほしいと言われた時に思ったのは、うれしいというよりは、やばい、どうしようでした。
冷静になって考えると、本当にドイツに行くなんて、ちょっとバカげているんではないかとも思いました(笑)
採用された理由の一つに、日本でコツコツと頑張ってきた仕事の成果を評価してもらったというのもあります。
ですので、ここはやはり日本で、このまましっかりと地に足をつけて仕事していた方がいいんじゃないと本気で悩みましたよ。
同級生もみんな、30歳過ぎて日本での生活を捨ててドイツに行こうなどと考える人はいませんでしたね。(笑)
以前から私は考え方が人とは違うと思っていましたが、さすがにドイツ企業への内々定が決まった時は、自分がとんでもなく間違った方向に向かっているんじゃないかと不安になって、内々定のメールをもらった日のお昼休みに会社から思わず父に電話をかけてしまいました。
「まさか決まるとは思っていなかったドイツ現地企業への採用が決まっちゃったんでけど、なんかもう、本当にどうしていいかわからない。」
ちょっとベソをかきながら、電話したところ、父はけっこー明るいトーンで、
「え-、すごいじゃん。行ってみたらいいよ」 と一言。
その時私はなぜか、納得してしまいました。
そうか、これはすごいことなのかと。
今考えると、採用されるために様々な工夫や努力をしていましたが、心のどこかで、私なんかが採用されるわけないよねと思っていたのだと思います。
それが、予想と違って採用されてしまったので、急に不安になってしまったのですね。
でも父の言葉で、私なんかではなく、私を選んでもらえたのだと、はじめて実感することができました。
もちろん家に帰った後、父には色々なことを聞かれましたよ。
やはり心配みたいで、現地での家はどうなるのかとか引っ越しは手伝ってもらえるのかなどなど。
でも父に電話で話した時には明るい声ですごいじゃんと言ってもらえたことで、すごく背中を押してもらったと思ってます。
海外移住はいろいろ悩んだけど、結局は自分の決断
最近私がこちらでの生活に馴染んできたことで、日本に残る家族や友人との関係は少しずつ変わってきました。
両親も体調が心配な年齢になってきています。
それでも私は、今ドイツで仕事をしながら生計を立てています。
私は、日本を離れドイツに来た当時の決断を、正しかったのか正しくないかったのかということでは判断したくありません。
だって私の決断次第で、どっちの人生もあり得たことだから。
選択できなかった方は検証しようがないし、どっちが良かったなんで判断できません。
ドイツに来るような大きな流れがあったことは確かですが、日本に残ることもできました。
日本に住んでいても、たぶんそれなりに生きていたと思いますよ。金銭的にはもっと余裕あったかも(笑)
日本にいたときの便利さと不自由さ、ドイツに来たことで得た自由ともどかしさ、どちらもメリット・デメリットがあるので、手放しで「海外最高!みんな来るべき!」とは思いません。
それでも、海外就職にチャレンジして、そのチャンスをものにできたことは、自分の人生の中でも大きな自信になりました。
海外で働いてみたいと思う方は、ぜひ自分のやり方で挑戦してみてください。
ずーっとその目標を目の前において、その方向に向けて頑張っていると、なぜかいきなりチャンスがやってくる場合があります。
そのチャンスを生かすかどうかは自分自身ですが、ひとつ言えることは、年齢を重ねれば重ねるほど、抱えるものは多くなります。
海外移住といったような大きな決断はしづらくなると思いますので、海外就職を目指すのであれば、できるだけ早い年齢で挑戦してみるのが良いと思います。
本日はここまで☆
最後まで目を通していただき、ありがとうございます!