前回のつづきです。
ドイツでぎっくり腰になってしまった時、まずはどの病院に行けばよいのか、どんな治療が受けられるかなどをご紹介しました。
(前回の記事はこちらからどうぞ➡)
さて、それではMRI検査を受けて、その検査結果をもってかかりつけのお医者さん(Hausarzt)もしくはMRIをとってくるように言われた専門医の先生(私の場合は整骨院の先生)のところに行き、どんな医療が適切か、検査結果をもとに治療方針を決めてもらいます。
はたして、ドイツではぎっくり腰になると、どのような治療が受けられるのでしょうか?気になる費用は?
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一番ポピュラーなのが、理学療法士によるマッサージ
さて、医者に言われた通り、MRI検査を受けてきました。ぎっくり腰になってから、検査結果を受け取るまでに、少なくとも2~3週間経ってることもあって、腰の痛みはあっても、なんとか歩けるようになってきているのではないでしょうか。
検査の結果、骨などに異常がないにならば、理学療法士(Physiotherapeut/-tin)によるマッサージ(Manuelle Therapie)や温熱療法(Warmtherapie)などの治療を受けることができます。
そのために必要な紹介状(Überweisungsschein)をかかりつけの医師もしくは整骨院の医師に書いてもらうのがもっともポピュラーな方法だと思います。
理学療法ってなに?どんな治療が受けられるの?
それでは、理学療法とはどのような治療なのでしょう。
理学療法(りがくりょうほう、英語: physiotherapy、physical therapy)とは身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気療法、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
引用:「Wikipedia」より:
マッサージに加えて温熱療法やストレッチなどを組み合わせて 、怪我や病気で衰えてしまった筋肉や体の動きを回復していくような治療ということですね。
ここでは便宜上マッサージと言っていますが、確かに私が受けた印象だと、マッサージというよりは、バランスが片寄ってしまった体を元のポジションに戻すように筋肉を動かしたり、背骨を整えるような手技(Manuelle Therapie )だった思います。
これに加えて、施術を受けるたびにいくつかのストレッチや筋トレの方法を教えてもらえました。
これを課題(Aufgabe)と言って、患者さんに家でやってもらうといったような感じです。
理学療法はどこで受けられるの?予約の取り方は?
理学療法(Physiotherapie)はほとんどどこでも受けることができます。個人で開業しているPraxisと呼ばれる診療所やジムやリハビリ施設などでも受けることができます。
個人的にはジムなどに併設されている所より診療所として治療してくれる所の方が、理学療法士のレベルが高いと感じました。
理学療法(Physiotherapie)では、6回分もしくは3回分の施術を受けるように医師から指示されるので、自分で理学療法が受けられる診療所を探し、予約を取ります。
私は直接受付に行って予約を取ってもらいましたが、その場で一気に6回分の予約を取りました。
6回分の治療日程が書かれた施術予約表(Behandlungstermine)を受付でもらったら、以下の点を事前にチェックしておきましょう。
- 担当者の名前
- バスタオルやハンドタオルを持参する必要があるか
- 予約した日を変更することは可能か
担当者の名前
施術は基本的には担当制です。 6回目の治療であれば、全て同じ担当者が施術をすることになります。
ここがすごいドイツらしいんですが、私の場合、担当者が風邪を引いてしまい、最初の予約から延期になりました。
さすがに2週間目になると、一度だけ代理の人がマッサージをしてくれましたが 、その後すぐに私の担当者が休暇に入ってしまい、2週間また施術をしてもらえず予約が延期されてしまいました。あんまりにもいい加減な人に当たってしまったら、病院を変えることをおすすめします。
バスタオルやハンドタオルを持参する必要があるか
理学療法では、ベッドに横になってマッサージを受けます。その歳、顔や足の部分にかけるバスタオルやハンドタオルを持参するように言われることがあります。
直接口頭で言われるか、もしくは予約表に書いてありますので、しっかりとチェックしましょう。
予約した日を変更することは可能か
予約は一度に全て取ることになりますが、後になってその日都合が悪いということがあるかもしれません。
その場合には、電話かもしくは直接受付に行って予約の変更をお願いすることになります。
もし当日まで連絡をせず、キャンセルになった場合、ペナルティとして施術を受けていなくても料金が発生します。
料金について
理学療法は、医師からの紹介状で受けることができる治療ですが、全く無料というわけではありません。
今回、私はぎっくり腰の治療ということで6回受けましたが、全ての施術が終わったその日に少しだけ自己負担でお金を払わなければなりませんでした。
私の場合だいたい20ユーロから25ユーロの料金をお支払いました 。
かかりつけの医師が出した治療だけでは、足りないことがある。そんな時はどうしたらいい?
さて6回分のマッサージも終わり、軽めのぎっくり腰であれば、そろそろ社会復帰ができると思います。
ただ少し症状が重い場合は、治療が終わった後も、自分でお金を出してそのまま治療を受けることもできます。
私のドイツ人の同僚も6回分ではまだ十分に回復がせず、何回か自己負担で通って治療を続けた人もいます。
また 、プライベートの診療になりますが、オステオパシー(Osteopathie) という治療も 腰痛には大変有効でした。
プライベート 診療は保険が効かないのでかなり高額となってしまう場合がありますが、かかりつけの医師に相談することで、一部ではありますが、治療費の補助を受けられることもあります
マッサージでも効果がない、腰の状態が悪化してしまった時には手術・ブロック注射の治療も
出来ればここまでの治療で腰痛が回復できればいいのですが、腰痛が悪化させてしまいマッサージでも効果がない重度の腰痛になってしまうこともあるでしょう。
特に椎間板ヘルニアなどを発症してしまった場合、マッサージや温熱療法だけでは 対処できない場合もあります。
その場合には医師の判断になりますが、手術やブロック注射などの治療もドイツで受けることができます。
ただ手術を受けるかどうかは最終的には神経外科(Neurochirurgie)で手術をする外科の先生の判断に委ねられます。
よほどのことがない限り、外科の先生はまず手術よりもブロック注射(Spritze)を勧めてくると思います。
ブロック注射は主にペインクリニックなどで受けることができます。
ブロック注射も医師の紹介状が必要ですが、こちら 残念ながら一本打つごとに自分で支払いをすることになります。
ただ一時的にでも楽になるのであれな価値はあると個人的には思います。
できるだけ早く目的の治療ができるようにするには?
ここまで可能な限りドイツで受けられる治療についてご紹介してきました。
やはりドイツ語がなかなかうまくしゃべれないと、どの病院にかかっていいかわからず、適切な治療を機会が失なわれてしまうかもしれません。
私もいくつかの病院へ行きましたが、効果がなくて、自分に合った病院が見つかるまで、かなりの時間を要してしまいました。
ですが、今回の腰痛の治療で、かかりつけのお医者さんが実に様々な処方箋や紹介状を出してくれることがわかりました。
ドイツでも十分な治療を受けることができますので、あきらめずにいい病院を探すことが大切です。