2020年は職業訓練の一環で語学学校に5か月間通っていたこともあり、急速にドイツ語が上達した実感がありました。やはり毎日継続するって大切ですね。
残念ながら、コロナの影響でtelcB2試験が何回も延長となってしまい、ドイツ国内では試験を受けることはできませんでしたが、試験対策は相当やったので、当時やっていたことを書き残しておこうと思います。
Twitterにも書いたのですが、語学学校で試しに受けてみたB2の模擬試験は79パーセントで何とか合格ラインは超えていたようです。ちなみにこれらの試験対策をする前の結果です。
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telcのB2試験とは?
日本国内では独検かGoethe Instituteの試験を受けることが多いようですが、ドイツではtelcが行っているドイツ語試験を受ける人が多いように感じます。
telcの試験はGoethe Instituteより受験料が安いので、外国人学生が受けやすいというのも理由の一つとして挙げられます。
難易度は、Goethe Instituteの方が高いと評価されることが多いですが、この二つ以外にもDSHやTestDafをとる学生も多いので、難易度というよりはどの試験の合格証が必要かということだと思います。
個人的にtelcとGoethe Insutitueの大きな違いはtelcはシャーペンか鉛筆でGoethe Instituteはボールペンということでしょうか。
なんじゃそりゃと思われるかもしれませんが、筆記用具の違いというのは自分の中では大きかったです。
telcの試験はボールペンは不可でシャーペンか鉛筆で受ける試験なので、わたしにはこちらの試験の方が気持ち的にやりやすいと感じました。
試験対策にかけた時間とやったこと
語学学校に通っていたので、授業で毎日5時間、予習・復習で5時間、合計10時間の勉強を3か月くらい続けました。
ただわたしの場合、文法とか全然気にしない「なんちゃってドイツ語」を友達と話していて、しかも通じていたので勉強を全くしてこなかった。で、いざ授業となるとぜんぜんついていけなかっただけなので、きちんと普段から勉強している人はこんなに勉強しなくても受かると思います。
ちなみにコースの開始当初からわからない単語を単語帳に記録し続けていたのですが、上達が実感できるくらいになったのはちょうど登録単語数が1000語を超えたくらいだったと思います。
中級学習者の語彙が3000語から4000語と言われているので、B1までで2000語は超えていると思うので、3000語にちょうど到達するくらいと考えると納得ですね。
参照:https://www.sprachenlernen24.de/blog/tipps-zum-sprachenlernen-aktiver-passiver-wortschatz/
お仕事をしているとなかなか難しいと思いますが、少しでもいいので、毎日続けるというのが語学上達のコツなんだと改めて認識しました。
B2のコースを受けていたのでB2の範囲を3か月くらいかけて勉強した後、本格的な試験勉強が始まりましたが、集中して頑張ったのは、3〜4ヶ月くらいだったと思います。
試験問題はネットで公開されているモデルテストと模擬テスト用の本を購入して徹底的にやりこみました。
telcの試験を受ける人はみんな持ってると思いますが、この本とても解説が詳しいのでおすすめです。筆記対策もそうですが、口頭試験のアドバイスやモデルケースの会話文も載っています。どのような言葉を使うと高得点になるのかなど判定の基準になるアドバイスもたくさん書いてあるので、参考にして自分の文章に使ったりしました。
B2試験の内容
Leseverstehen(読む):(試験時間90分、20問)
- Teil1 (5問x5Punkte=25Punkte)
5つの短いテキストを読み、10個の見出しからテキストに合っていると思われるものを選ぶ
- Teil2 (5問x5Punkte=25Punkte)
少し長めの新聞記事を読み、5つの設問に答える。選択肢は3つなのでa,b,cのどれかをマークシートで選ぶ。
- Teil3 (10問x2.5Punkte=25Punkte)
10個のシチュエーションを読み、12個の広告の中からシチュエーションに合っているものを選ぶ。
ないものもあるので、その場合はマークシートのXに記入する。
Leseverstehen対策でやったこと
もうほんとに語彙を増やすしかない。
ただそれだけです。
最初のうちはわからない単語ばかりで、読んでも意味が分からなくて落ち込んでしまいましたが、あきらめずいろいろな記事を読みまくります。
もう皆さんもやっていると思いますが、問題集だけではなく読んだ記事でわからなかった単語はすべて単語アプリに登録していきました。
たくさん問題を解いたりネット記事を読んでいると、B2で読む一般的なニュースや読み物には、同じ単語がよく出てきます。
「これどっかでみたな」と思って登録した単語アプリで検索すると、すでに3回も同じ単語を登録していたこともありました(笑)
試験はあくまでも試験なので必須かつ頻出単語というのは数が限られています。
単語帳もいいですが、自分で単語アプリに登録しておけば、あとで検索することができるのでおすすめです。
Sprachbausteine
- Teil1(10問x1.5Punkte=30Punkte)
穴埋め問題やさしいバージョン。
テキストを読み、10個の空欄に合うものを選ぶ。選択肢は3つなのでa,b,cのどれかをマークシートで選ぶ。
- Teil2 (10問x1.5Punkte=30Punkte)
穴埋め問題むずかしいバージョン。
こちらも穴埋め問題ですが、10個の空欄に合うものを選ぶ。選択肢は3つではなく選択肢は全部共通。しかも品詞がわからないようにすべて大文字で書かれている。
Sprachbausteine対策でやったこと
解いた問題はすべてノートに書き写して、赤ペンで解説文を加えて覚えました。
Sprachbausteineは文の前後をきちんと読んで解答を選ばないといけないのですが、その文法や用法を知らないと解けないので、わからなければあきらめも肝心です。
特にTeil2は難易度が高いので、あまり時間をかけるのはおすすめできません。
理由としてはSprachbausteineは配点が低いからです。
1問1.5Punkteで20問で30Punkteしかありません。
Leseverstehenは20問で75Punkteなので、どちらに時間をかければよいかは明らかです。
ただ、Sprachbausteineは知っていれば確実にポイントが取れるので、日ごろから例文を多く説いておけば得点UPにつながります。
Hörverstehen
- Teil1 (5問x5Punkte=25Punkte)
ニュースを聞いて5つの設問がrichtig(+)かfalsch(-)を選ぶ。一回だけ聞ける。
- Teil2 (10問x2.5Punkte=25Punkte)
インタビューを聞いて10つの設問がrichtig(+)かfalsch(-)を選ぶ。一回だけ聞ける。
- Teil3 (5問x5Punkte=25Punkte)
ニュースやラジオを聞いて5つの設問がrichtig(+)かfalsch(-)を選ぶ。一回だけ聞ける。
Hörverstehen対策でやったこと
Hörverstehenは対策というより、日ごろどのくらいドイツ語を耳にしているかがポイントだと思います。
特にTeil2はわざと(?)方言で話す人が出てくること多く、聞いたことがないと何もわからないうちに終わってしまうかもしれません。
対策というかわたしはYoutubeでできるだけナチュラルスピードのドイツ語を聞いていました。
字幕を付けてくれているチャンネルだと一層助かりますね。
おすすめはEasy GermanやMr.Nipponです。
Easy Germanの司会者はとても分かりやすいドイツ語を話してくれますが、街角インタビューで話すドイツ人のドイツ語が早いしなまってる人もいるので、リスニング対策に聞いています。
Mr.Nipponは、若者のドイツ語を聞けるのがおすすめポイントでしょうか。ドイツ語の若者言葉はあまり聞く機会がないので個人的には貴重でたまに聞いてます。
Schriftlicher Ausdruck (45 Punkte)
AかB2つの課題が出るのでどちらか選んで手紙やEmailを書く。
課題に書かれている3つ項目は必ず含めなければならない。時間は45分。
課題の内容はBeschwerde、Bitte um InformationたまにBewerbungから出題される。
Schriftlicher Ausdruck対策でやったこと
採点ができるプロのドイツ語講師によると、高得点のもらえるポイントを必ず押さえておくこと!
ということでいろいろ教えてもらいました。
①課題に書かれている3つの項目について、1つの項目につき最低2文書く
②スラングを使わない
③Zweiteilige Konnektorenを使う
④さまざまなSatzverbindungen Konnektorを使って書く
などが主な高得点ポイントです。
もちろん手紙の宛先やメールのタイトル、始まりと終わりの文章など基本的な部分を押さえた上で上記のことに気をつけて文章を書くと、高得点がもらえます。
Zweiteilige Konnektorenは、
nicht nur…sondern auch,
entweder…oder, je…desto, weder…noch, einerseits…andereseits, sowohl…also auch, zwar…aberなどのことで、最低1個使うことをおすすめします。
さまざまなSatzverbindungen Konnektorを使うことで文章に変化をつけることができます。個人的にはWeil,Da,Obwohl,Aus diesem Grundなどが使いやすいです。
高得点を取るには自分の書きやすい文書ばかり書いていてはダメで、上のような表現を積極的に使わなければなりません。
配点は45点満点ですが、上記のようなポイントを抑えると35点はいけると思います。
わたしは上の写真のように文章の始まりの部分ををテンプレ化して覚えていました。
Mündlicher Ausdruck(約15分、75Punkte)
試験前に20分の準備時間があります。あらかじめ問題を読み、ポイントや意見などをまとめておく時間に使えます。試験はパートナーの受験生と行います。
- Teil1
唯一、試験の前に回答を用意することができる試験です。
1分半スピーチ、丸暗記して挑みます。
テーマはBuch,Reise,Film,Musikveranstaltung,Sportereignis,Person,wichtigbErfahrungの中から一つ選んで文章をスピーチを行います。
- Teil2
準備時間で読んだテキストについて、パートナーとディスカッションを行う。
- Teil3
準備時間で読んだTeil2別のとはテキストについて、パートナーと一緒に何かを計画する。
Mündlicher Ausdruck対策でやったこと
わたしはクラスメートと練習することで会話に慣れましたが、最初は全然できなくてへこみました。
この対策は1人ではできないので、タンデムパートナーを探すか、ドイツ語講師のプライベートレッスンを何回か受けて、試験の流れをイメージしておいた方がいいと思います。
独学ではちょっと厳しいかもしれませんね。。。想定できる質問を書き出して暗記とかはできるかもしれませんが。
ただ普段から友達とドイツ語で話すのが好きな人は、特別な対策をしなくても合格ラインは越えられるかも。
もちろん高得点を取るためにはSchriftlicher Ausdruckの対策のように、高得点の取れる言い回しをしなければならないのですが、この試験は普段からドイツ語を話し慣れている人ほど有利です。
試験対策をすればほとんどの人は受かると思う
すみません、身も蓋もないですが、結局は試験なので対策をすればほとんどの人は受かると思います。
まぁ、わたしはこれだけ試験対策やったにもかかわらず、コロナのせいで試験は受けられなかったので、たいそうなことは言えないんですけど、問題を解くコツとか問題集にも書いてありますし、とりあえず問題集を何度も解いて出題形式に慣れておくのは大事だと思います。
でもドイツ人の友人にドン引きされるくらい勉強していたので、これくらい勉強していれば受からないということはないと思います。
幸いtelcの試験は筆記試験と口頭試験でそれぞれ70パーセント以上取れれば合格です。
特にMündlicher Ausdruckは高得点のコツを覚えておけばかなりポイントが稼げると思うので、いろいろな文章を書いて表現をストックしておくとよいと思います。