先日、とある会社で事務員をしているドイツ人の友人から、若手女子事務員の話を聞きました。
友人「事務未経験で入った子がいるんだけど、お給料がめちゃくちゃ低くてびっくりした。」
すっごい気になったので、一体いくらなのか聞いてみると……
1600ユーロ/月。
少なっ。
友達も「ありえないよねー、フルタイムでこれはやる気でないよ。」と苦笑いをしています。
今回は、ドイツの会社員としては底辺あたりで働いている私が、同じようにドイツの底辺あたりでがんばる女の子たちのリアルなお給料事情について証言しちゃいます。
Contents
海外生活で収入が低すぎるとどうなる?
ドイツは他の国に比べて、収入が良いというのは本当だと思います。
ですが、日本からわざわざ来て、1600ユーロ/月でフルタイムで5年働くかと言われれば……
私はしないと思う。
でも、最初は収入が低くても仕方がないと思うと若い子たちの気持ちもわかります。
とにかくドイツでは、未経験者はお仕事がもらえません。
国家資格を持っていたり、実務経験がないと、ドイツ人であっても相手にしてもらえないのが現状です。
そのため、お給料が低くても就職できるのであれば、会社が出してきた条件を飲む若いドイツ人たちが多いです。
冒頭で出てきたドイツ人の彼女も例外ではなく、採用当時23歳でしたが、会社が提示してきた額面でサインしたそうです。
そう、1600ユーロ/月で。
くどいようですがフルタイムですよ、税込みですよ。
私もお給料が高い方ではありませんが、この金額にはびっくりです。
>英語版のTax Calculatorでサクッと計算してみたところ、手取りは
1.159,11 €。
日本円にして、15,2430円です。
(Tax Calculatorの詳しい使い方は、
ドイツに就職する場合のお給料について。希望給与ってどれくらい? – vanillesesamの缶詰 で解説しています。)
「うん?悪くないんじゃない。」
と思われた方もいるかもしれません。
確かに、私も以前の記事で、1ヶ月の生活費 in ドイツをご紹介したことがあります。
私の場合、ひとり暮らしでも、節約すれば823ユーロ/月で暮らせます。
ですが、この費用に臨時出費や旅費、貯金は含まれておりません。
つまり、日本人の女子ひとりが1か月少しゆとりを持って暮らしていくためには、
約1000ユーロがボーダーラインです。
だから、手取りが1000ユーロ超えるならなんとか、暮らしていけるとは思います。
(地域にもよります。大きな都市では、家賃だけで1000ユーロ超えるのでまず無理)
さらに言えば、日本にいる間にがんばって貯金しておいて、1~2年ドイツで企業経験してみたい人なら、この金額で受けるのもアリです。
ですが、私のように、ドイツに永住目的で、5年以上勤めたいと思っている人は、このお給料だと長期滞在はつらいと思います。
(私なら1~2年勤めながら、ドイツ語がんばって他の就職先探すかな)
ぜいたくは望みませんが、女性はなにかと物入りです。
あまり治安が悪い所には住みたくないし、電車や飛行機でのひとり旅も深夜の発着はなるべく避けたい。
ドイツは他のヨーロッパの国々に比べ、比較的治安が良い国ですが、女性は最低限の身を守る対策はとっておいた方がいい、と個人的に考えております。
そうすると、女性は男性が海外で暮らすより高くつくんですよね。
そうすると、あまりにも低いお給料で働くのは、いろいろとストレスが溜まると思うのです。
ひとり暮らしできない
あまり低いお給料で採用されると、ひとり暮らしはできません。
若い人や、最初のうちはルームシェアでもいいと思いますが、このブログの読者は、私のように30代の女性のみなさんを対象にしています。
ドイツの若い子たちは、お金を節約するために、ルームシェアをするのが一般的です。
ルームシェアは、たくさんメリットがありますので、日本から単身やって来た人は、まずはルームシェアをしてみるのもいいと思います。
ですが、ルームシェアはメリットもたくさんある一方で、長くドイツに住んでいると、ルームシェアのことで悩んでいる人もたくさん見てきました。
ドイツに移住後、最初のうちはルームシェアする人が多いですが、長期で住もうと考えている人は、最終的には、一人暮らしやパートナーと暮らすための、自分のアパートを探しています。
特に30歳をすぎて、ある程度自分の生活スタイルができている人は、ずーっとルームシェアはキツイですよね。
仕事しながら、5年以上ルームシェアとか……私は無理です。
会社が自分を評価してくれていない
お給料の金額をみれば、その人がどれだけ会社に期待されているかがわかります。
あまりにも低い金額を提示されたのなら、自分はそれほど期待されていないということかもしれません……
未経験者であれば、最初のうちは低いお給料でも、がんばって働くべきだと思います。
でも6カ月の試用期間をパスして本採用になった時、お給料交渉に応じてくれないなら、その会社は従業員を大切にしない会社の可能性があります。
ドイツ人だけでなく、ヨーロッパに住んでいる人って、お金のことにシビアです。
自分の仕事量に見合ったお給料をもらえていないと思えば、上司に遠慮なく給与交渉をします。
給料をあげてもらえなかったらどうするのかというと、新しい就職先を探します(笑)
いや、冗談ではなくお給料に不満があると、みんなタイミングを見計らってサッサと辞めていきます。
もちろん、お金が全てではありませんから、たとえ安い給料でも、やりたい仕事があるならお受けするのも、選択肢のひとつだと思います。
でも、もしお給料安いのに、すごい量の仕事を任されていて、お給料交渉しているのに、のらりくらりかわされているという人は、割り切って働くか、でなければ転職をおすすめします。
ドイツ人の経営者はけっこうずる賢くて、特に若者に対して扱いがひどい人がいます。
未経験者を安い労働力として雇ったり、給料交渉されないように簡単な仕事しかさせなかったり、などなど。(もっとひどいと、給料未払いの会社もあり)
ドイツ人だから日本人だからというわけではなく、会社の経営方針がそうだから仕方ないんです。
(この手の話は表面上出てこないだけで、友達と話してると出てきます。)
安すぎるお給料で働かされないように、事前に住んでいる地域のお給料相場をチェックしておいて、会社に丸め込まれないよう気をつけたいところです。
(お給料相場の調べ方はこちらの記事をどうぞ→
ドイツに就職する場合のお給料について。希望給与ってどれくらい? – vanillesesamの缶詰
ドイツ暮らし、仕事もプライベートも充実させつコツは
自分の働きに見合ったお給料だと思えるかどうかです。
ドイツの会社もピンキリで、良い会社も悪い会社もあります。
業界未経験者・外国人は安く買い叩かれやすいので、気をつける必要がありますが、お給料が安くても、例えば、
- 残業なし
- 仕事量もちょうどい
- 長期休暇も申請しやすい
という職場だったら、働いてみたいと思いませんか!?
単にお給料の金額だけでなく、自分がいただいているお給料と仕事量に納得しているか、常に自分の中で調整していく必要があります。
お給料がちょっと低くても、残業なしなら仕事おわりのプライベートを充実させて、ドイツ生活を楽しみたいですよね!
もしお給料に不満があるのなら、改善していくために行動しましょう。
行動することで、自分の目指す未来が見えてきます。
なぜって、ここはドイツですから!
皆さまが少しでも良い職場環境に恵まれて、ドイツ生活を楽しめますよう、この記事がお役に立てれば幸いです♪
補足
冒頭で話した若いドイツ人の女の子ですが、2年経たず辞めたそうです。
お給料交渉にも応じてもらえず、仕事も雑用が多かったみたいで、不満がつのり、在職中に新しい仕事を見つけて去っていったようですよ。
新しい職場で楽しく働いていることを願っています。
補足2
私は、ドイツに来て最初の2年くらい、がむしゃらに働いていました。
上司のウケを気にしていたのと、働きを認められると臨時ボーナスがもらえたからです。
でもその分、仕事量が半端なく多くて 、残業・土日出勤・仕事持ち帰りとかしてました。(ドイツの話です)
現在は、定時帰り・完全土日休業・家で仕事はしてません。
収入は減りましたが 、今の働き方が丁度いいと思ってます。